2005年10月

日記　051005
「こんなに愛していただなんて」　今までそんなに気にならなかったのだけれど、僕はたこ焼きがものすごく好きだ、ということに気付いた。　子供の頃に食べたたこ焼きは、全体的に硬くて、ボソボソしていて、おいしくなかった。それがいつからか、中がトロッとしていて、とても美味しい食べ物になっていた。　僕は基本的に間食をしないので、たこ焼きに対するスタンスが不明瞭だったのだと思う。あの、オヤツなんだかゴハンなんだかよくわからない食べ物に、どういう態度で挑めばいいのかわからなかったのだ。　それにたこ焼きは、たこ焼き屋さんで買うのがまっとうなものだ。　何度か引越しを経験したが、家の近所にたこ焼き屋さんがなかったのも悪い。もし近くにあれば、あれ、俺、こんなに通ってる、こんなに食ってる、こんなに愛してる、とすぐにわかっただろうに。　というわけで、なにが言いたいかというと、今度引っ越す時は、近所にたこ焼き屋さんがあるところにしよう、ということだ。　ちなみに、家庭用のたこ焼き器みたいなものもあるけど、一人暮らしでチマチマ焼くのは泣けてくるから嫌だ。
日記 051017
「アイチューンズミュージックストア（iTMS）日記」 ■そのいち　iTMSに登録。破滅が僕においでおいでしてる。さっそく買ったのは以下の通り。 Se Vose Pensa/野本かりあ M.O.D.E.L. Agent/野本かりあ I Love You/野本かりあ One More Kiss/Apila OH! NICE GET's!! ~ブギウギダンディ Classic Disco Funk Mix/ダンディ坂野 LOVEマシーン/Debbie Ffrench ハイスクールララバイ/月刊プロボーラー　かりあたんの持ってないＣＤから、よさそうな曲を購入。　それとよくわからないけど試聴で気に入ったやつ。　で、ダンディですよ。これはファーストシングルのリミックスみたいなんだけど、朴訥とした感じが素晴らしい。ああ。ゲッツ。　そしてラブマシーンのカバー。ユルユルすぎて泣けてくる。　最後に気になっていた月刊プロボーラー。うー。うん。　ゲッツ！ ■そのに　自然音最高（YAZAWA最高的なニュアンスで）。　iTMSで（ほらね、もう奴隷だ）波の音とか小川のせせらぎとか、雨の音とかを買って聴いてます。　水の音ギザモエスｗｗｗ水カワユスｗｗ水結構したいおｗｗ　と、しょこたんなら言ってしまうほど水の音が好きです。寝ながら聴くとおねしょをしてしまう危険性がありますが、僕はこれでも大人です。二十八歳なのです。おねしょは三年前に卒業しました。　さて。Gordon Hemptonによります「Song of the Merced River (Yosemite, California, 1993-1994)」は約50分に渡って雨が降ったり、止んだり、鳥が鳴いたり、また雨が降ったり、川がチョロチョロしたりのアンビエント仕様。　途中のゴツッ、ゴッ、という激しい音により「お父さんこれ以上叩かないで！」とトラウマを呼び起こしたりもして（たぶんヒョウかなにかだろう）緩急もあります。　風が吹き、虫が鳴き、雨が降り、そして去り、音にはみえない太陽の光が差し込む（んだか、差し込んでないんだか）瞬間に、あぁ、なんて素敵な水の音、と勃起すりゅ。　600円で50分間、水の音をいつでも聴けるんだからこりゃマストバイです。だってチャポチャポいうんだよ、すごくない？　「チャポチャポの音」って世界で二番目ぐらいに素晴らしい音だと思う。え？　一番はなにかって？　それはきみの唇が囁く「愛してる」の響きに決まっているじゃないかドーン！　次は沖縄の波の音っていうのを買ってみようかしら。でも2000円するんだよな。波で2000円ってなぁ。でも欲しいなぁ。お金ないのになぁ。　ちなみに、同じGordon HemptonのCDで森の音みたいなのとか、夜の音みたいのもありますが、そんなのdisrespect ですよまったく。ファッションパンクだあんなの（よくわかってないけど発言）。自然音は水をメインにしないとよくない。やっぱ水だよ、水。「Babbling Brook (Chan Chich, Belize, February 6, 1995)」ってCDは、かなりチョロチョロ具合が洗練されてる。素晴らしい。はっきり言って、おしっこしてる音にしか聴こえない。ああああ。おねしょー。
日記 051019
「リストカット」　リストカットについて、もう何年も考えている。　僕がリストカットを知ったのは、深夜テレビのドキュメンタリー番組だった。　両腕に十字のデコボコの傷がある男性が出てきて、それを街行く人に見せる、という内容。　見た人は「ヒィッ」とか「うわっ」と驚いていた。そりゃそうだ、と思った。　紫色にボコボコと腫れ上がった傷跡は意図的にそうしているとしか思えず（実際意図的だった）、なぜそんなことをするのだろうと誰もが考えるはずだ。　彼の傷跡の映像が頭から離れなかった。だけど、僕の周囲にはリストカッターはいなかった。　が、数年経って、知り合いにリストカッターが多くなった。　なぜかそういう人と知り合う。最初からリストカッター（自分で言ってて、この呼び方はどうかと思うんだけどなー）と知っている時もあれば、途中で知ることもある。　また、知らないうちに切り始めた人もいる。軽く切る人から、深く切る人まで。手首、肩、太もも（これは自殺未遂だ）、お尻、いろんなところを切る。　そういう人は大抵、セットでオーバードーズをする。しない人は、薬自体を飲んでいないとおもう。　自傷行為を止めたいと思う気持ちと、そうするしかないという本人の意思を尊重したいという気持ちですごく悩む。リストカットがＳＯＳのサインだ、という人もいるし、そうじゃないという人もいる。どうして切るのですかとたずねると、みんな理由はそれぞれだ。　そんな、それぞれの理由で自傷をする人達を「リストカッター」なんて簡単な言葉でひとくくりにしていいのかしらと思う。いや、よくない。よくないはずだ。　リストカットはやはり、若い人に多い。ある程度年を取ると卒業する。卒業しない場合は、切り続けるか自殺してる。日常的に切る人がいる。儀式的に切る人がいる。悩んで切る人がいる。反射的に切る人がいる。　僕は　僕は、こういう人達と知り合ってきて、やはり、自分はなにもできないのだなと痛感した。誰かを救うことができるなんていうのはおごりであり、思い込みであり、自意識過剰であり、嘘っこのできごとである。人を救うには代償がいる。　それは、とても、大きな責任を伴う、それはそれは大変なことである。なんつーのこれ。　お風呂の手桶に血をいっぱい溜めて、写メールで送ってくる人がいる。僕の目の前で切る人がいる。傷跡を見せてくれる人がいる。傷跡を隠す人がいる（←しかもとびきりキュートに恥ずかしがって）。　手段なのか、目的なのか。　心が弱いことはトレンドなんかじゃないよね。まあ、そんなこと誰だってわかってるんだけどさぁ。　つまり僕が言いたいことは、つまり僕はなにかを言い続けることでしかこの出来事に対してどうこうすることができないということだ。カミソリがなければカッターで、カッターがなければ包丁で切る少女に、僕がなにをしてやれる？　リストカットは結果であり、原因があるわけだ。その原因を解消しなければ、というのはわかっているけれど、解消できないから原因となって人々を追い込んでいるのだろう。　僕はたった一人の誰かを救うことすらできないんだよ、実際のところ。　ああー。　うー。　わざわざ書くことじゃないけれど、書かなくちゃ。僕はきみを愛している。
日記 051020
「日常」　ティッシュの箱にサインの練習。
日記　051021
「text」　あなたはとても怖がりだから、自分を守ろうとしてしまうのよ。　悲しいことがあっても、なんてことないんだって、そう思うようにしているのよ。　だって、本当に、全てを、ありのままに引き受けてしまったら、あなたは壊れてしまうでしょう？　だから、なんてことないんだって、そう思うふうになっているのよ。　涙を流さないのは、そのためなのよ。　あなたがそうなってしまったのは、世の中の悲しみが悪いのよ。　そう、彼女は言った。　でも、世の中には立ち向かっている人がいるじゃないか。　と、僕は答えた。　もしね、もし、誰かがあなたのことを見たら、こう言うでしょうね。「立ち向かっていて立派だ」と。　そう彼女は言った。　それって、どういうこと？　僕は、尋ねた。　つまり、誰も他人のことなんてわかっちゃいないってことよ。　つまり、誰ともわかりあえないってことなのよ。　だけど、それでもわかりあおうとするのが、生きてるってことなんじゃないかしら。　彼女は続けた。　わからないけど、ね。　彼女は最後に言った。　あなたはとても立派だと思うわ。だから、愛してる。