03012

「みなさん」

 2003年の最後の更新であります。


「今年を振り返る」

 今年は大変でした。生まれて初めてのオリジナル小説(文庫本)を
出したのが一番大きな出来事だったように思えます。
 一応振り返ってみますが、あんまりいつになにをしてたのか
覚えてないという。そういう。

*Kissingのアイデア出しをやったような気がする。
*友達のクラブイベントでライブをやったような気がする。
*CDドラマを四枚ぐらい書いた気がするけど確かではない。
*グリーングリーンおとこのおんなのこが出た。
*神様家族の1〜3が出た。
*ファンタジー小説トゥーザキャッスルが出た。
*来年発売のゲームに関わった。
*私立アキハバラ学園のシナリオやった。
*作詞をたくさんした。
*なんかの監修をした。
*無記名のコラムを雑誌で連載した。終わった。
*来年出るインディーズCDのトラックを作成した。
*Webラジオをディレクションした。
*未発表の曲を趣味でたくさん作った。歌った。
*引っ越した。
*アニメのスタッフロールに名前が載って笑った。
*DJはやってないと思う。
*神様家族のオリジナルグッズができた(キーホルダー。感動した)。
*Webが滞りまくった。
*女装コンテストで優勝。
*たぶん忘れてしまっている色々なこと。

 それぐらいでしょうか。なんだ、こうして振り返ってみると
それほど色々やってない気がしてきました。来年は頑張ろう。
 来年は小説のリリースが既に決まっていて(MF文庫Jさんから
神様家族4が出ます)、他にも原稿を書いたりアイデアを考えたり
しております。
 シナリオライターとしての仕事は時間的にできなくて、数社様から
のオファーをお断りしてしまって申し訳ございませんとすごく
思いました。なんだ、お前はそんなに偉いのか、などと言われたり
しましたが、そうではなくて、僕はすぐテンパるのでお仕事が詰まると
ムキーってなって書けなくなってしまって、結果的に色々な人にご迷惑を
かけるということになるからであります。
 ゲームのお仕事は短期で終わらないですからね。短期で終わるっていう
お仕事も魂入ってなさそうでちょっとあれだし。
 やっぱりどうせ作るなら、魂削ってやりたいものなのです。ほんとに。
 ただし、作詞の仕事は比較的リラックスしてできるので、ものすごく
しんどい時期以外はオファーを受けさせて頂いております。
 自分の文字が音楽になるのはとても楽しい。素晴らしい。うっとりです。

 Webに関しては、もう「頑張って更新します」とか言うのやめました。
 だって嘘になってしまうんですもの。少しでもいいから、ちょっとずつ
更新できたらいいなあと思ってはいますが。
 今年もなんとか生きています。みなさんありがとうございました。
 そして来年もよろしくお願い致します。去年頂いた年賀状を引越しの際に
ゴッソリと紛失してしまって、名刺を頼りに年賀状を書いたので
届かなかったみなさん申し訳ございません。
 頑張って生きるぞ。頑張って生きるぞ。頑張って生きるぞぉ。


「エロいこと」

 僕が小学校の時に、聖闘士聖矢の、まだ読んだことない漫画が
売ってて、なにこれすごいじゃんと思って買ったらヤオイでした。
 瞬と一輝がセックスしてた。
 友達の前でそうとは知らず読んでいて、僕はもう困ってしまったのです。
「読んだら貸してよ」と言われても貸せないもどかしさ。ああ、自分はなんて
ものを買ってしまったのだと心に深い傷を負いました。
 今、僕の本を読んでる人にはそういう気持ちを味わって欲しくないなあ
というのがあります。エロいのはエロいし、エロくないのはエロくないよ、と
説明できるポジションにいたいなあと。
 忘れないようにWebにメモする僕であった。


「今日は」

 冬コミ最終日のはずです。僕は家で仕事してます。
 コミケ自体はあまり行こうとは思わないのですが(同人誌とか、ほとんど
読まないのです)、その時にしか会えない人がいたりとか、そういうのは
とても素敵だと思うので会いたいなあと思うのですが。
 あとテンコのコスプレとかいねーかなーとか思います。いないだろうけど。

 自分の作り出したものが現実に反映されるのがすごく好きです。
 PCのモニタ上で完成された物語が、本になって出てくると嬉しくなります。
 思わず頬ずりします。スリスリ。かわいい。パルプに愛着を感じます。
ありがとうパルプ。ごめんよ、森林。きみの吐いた酸素は忘れない。
 神様家族のキーホルダーとか感動しました。立体は素晴らしい。
 キャラクターのフィギュアとか出たら家宝にすることでしょう。マイケウラウ
とかジェイソンシウに頼んで作ってもらえねーかな。無理ですね。ガレージキット
とか誰か作って、組み立て〜彩色までしてくれねーかな。無理ですね。キャッスルの
二人とかも、立体にしたらカワイイと思うんだけどなぁ……。
 でもやっぱりコスプレですよね。なにせ女の子がやってるんだもの。できれば
カワイイ女の子がいいなあ。カワイクなくても普通でもいいんですけどね。
 来年はコスプレされるように頑張ろう。よし、ミニスカートのキャラを出すぞ。


「決意」

 守るべき一線を守ることにしよう。それが生み出したものへの責任かも知れない。


「大人」

 尊敬すべき大人がたくさんいることに気がついた。僕がまだ十代の頃は、
大人なんてみんなクソみたいなものだと信じ切っていたというのに。
 僕よりずっと年上でもアナーキーな人もいるし、年下でもイカス人もいる。
 子供と呼ばれるみなさん。大人というのは、なかなか捨てたものではないですよ。
 今時の子供は……と、ひとくくりにされたことに怒りを覚えたみなさん。
 あなたもひとくくりにしてはいませんか。

 頭の痛くなるような、この狂った現状の中で、意志を伝えようとしている
レジスタンスはどこにでも潜んでいることを目撃した今年でありました。
 大きな流れは止められないけれど、そこに身を隠して、気持ちを届けることは
可能なのかもしれない。受け取ってくれるかくれないかに関わらず、それを
発信することが大事なのだと思う。

 もっと文章もなにもかも上手くなって、迷彩柄のようなテキストに身を包んで
きみの瞳の中に潜り込もう。何年かの時を経て、不意に破裂する言葉の爆弾。
 そのために僕は生きている。
 脳みそは生きる意志だ。探すことは自由だ。閉ざすことも有りだ。
 だけど、どうせなら目を開けよう。歩き出そう、前でも後ろでも。
 留まるなら考えよう。考えないなら明日まで眠ろう。
 僕はまだやれると思う。いつか手を握ろう。共に行こう。共に戦おう。


「難問」

 酷く手足が伸びてしまって、もう届かなくなったとして、その爪を切ることは
簡単なことではない。それには体を縮こまらせて、小さくしているのが一番なの
だろうか。あるいは、伸ばした手でもぎ取る果実の甘さに身を委ねてしまうのか。
 信頼のおける人に切ってもらうことができれば、それがベストなんじゃないかな。
 なにはともあれ、頑張ろうっと。


「今年一番の買い物」

 子供の頃に買えなかったオモチャ、お菓子などを、大人になってゴソッと
買うようなことを「大人買い」と言います。
 それとは違うかも知れないけど、僕もしました、大人買い。
 買ったものはナイキのエアマックス95イエローグラデーション。スニーカーです。
 このスニーカーは、ただのランニングシューズのくせに、95年に爆発的な
ブームになりました。なにしろ、この靴を履いている人を襲って、靴だけ盗んで
逃げる「エアマックス狩り」という現象まで起こったんだもの。今の若い人は(なんて
言い方をする年齢になってしまった)、嘘だと思うんじゃないかしら。
 当時十代だった僕は、この靴に憧れを持っていました。とにかくカッコヨカッタ。
 ハイテクシューズなんて呼ばれて、靴底にエアーが入っておりまして、今では
当たり前かも知れないけれど、その時は信じられなかったんですよ。
 ニセモノもたくさん出回ったし、値段が高騰して十万円以上になったりもしてました。
僕はそれを今年、安く手に入れました。
 ああ、なんとうか、僕にも十代の頃があって、トランペット欲しい黒人の
少年みたいに、スニーカーショップのウインドウに貼りついていたなあ、なんて。
 その時も気持ちを忘れてはならぬと購入したわけです。
 だって、死んでも欲しいものなんて、そうそうないですよ。今の僕に、人を襲って
までなにかを盗もうなんて思わせるものってあるでしょうか?
 なんとなく欲しいなぁ、とか、そんなんばっかであります。
 夢にまで見たエアマックスは、今では時代遅れもいいところだけど、それを履く
だけで胸がドキドキする大切なスニーカーなのでした。
 まあ、普段はスタンスミスのベルクロ履いてますけど……。


「今年の音楽について」

 最近、CDを買う機会がめっきり減りました。CDを再生した瞬間「なんじゃこれ!
かっこいい!」と思うものも少なくなったし、何度も何度も聴けるようなCDが
ほとんどないっていうのが理由です。だってねえ、三千円も出して買って、
一度聴いたら終わりですって。そんなの高いよ。困ります。
 もちろんイイナと思う曲はあるのですが、それも心の底から感動するっていうんじゃ
なくて「メロディーいいなあ」などとボンヤリ思う程度なのでした。
 そんなわけで、今年買った(と思われる)CDからオススメを。リリースが今年じゃ
じゃいのもあります。

*DJ IRENE / PHONOSYNTHESIS
 303いっぱいのハードハウス(?)DJMIX。303がたくさん鳴ってるってだけで
満足なのですが、全体的にアッパーでよいのです。これは飽きずに聴いてました。
 なんかメジャーっぽい感じがします。

*V.A. / EVERYWHER MUSIC
 チルアウト用に使ってました。とりあず聴きたいものがない時はコレ、っていう
感じで。アンビエントじゃないけれど、ダブっぽいのとか入ってたりして素敵です。
 とても地味な音だけど大好き。あと、引っ越してから聴く音楽の傾向が変わって、
こういうのが好きになりました。

*山本麻里安 / お散歩ハウス
 うわ、これ2000年ですね。しかも買ったの今年かどうかも覚えてない。
 しかし振り返ろうとすると、必ず頭に浮かぶので書きます。
 「声優さん」という、ある種固定ファンの購買層がガッチリしているだけに、
わりに色々なことができるジャンルで、モノスゴク素敵な楽曲の数々を詰め込んだ
貴重なアルバムです。タイトルトラックの「お散歩ハウス」なんて名曲ですね。
 このアルバムのリプロダクションとか出ないかな。ダブっぽいのは、もっと重くて
ビートがクッキリしたものに、ハウスっぽいのはよりハードに、みたいなテーマで
カッチリ作ったら歴史的な名盤になると思うのですよ。
 収録曲「ヴィーナスと小さなお姫様」とかは、極上のダブ+アンビエント+ポップ
になりそう。ヨダレでます。じゅるじゅる。なんか、そう考えるとダブとか
アンビエント向けっぽいダウナーな曲も多いですね。
「花の催眠術」なんて「花の香りを吸い込んだなら/たちまち空に色がついて/虹が
出た」って、なんてサイケなんでしょう。痺れる。

*エロゲーの曲全般
 今年一番面白かったのは、いわゆる18禁のPCゲームのテーマソングだと思います。
 どんなジャンルよりも実験的でポップでクロスオーバーしてて、こういう混沌とした
カテゴリーって今はもうないんじゃないかと思います。初期のテクノシーンのように
グッチャグチャになってて愉快です。なにしろほとんどがカワイイ声のボーカルだと
いうのも僕の趣味にあってる。
 確実な手を打ってくるメーカーと、冒険しようとしているメーカーがあって、
個人的には後者の方が好きです。

 うわ、振り返ってみると、ちゃんと聴いてるCDって三枚しかないです。
 なんてこった。来年はもっとディグっちゃうよ。ディグディグ。
 ちなみに、THA BLUE HERBの「アンダーグラウンドVSアマチュア」は、聴き始めると
取り込まれてしまうので、なにかをしながら聴けない困った曲です。日本語のHIPHOPの
曲の中で、一番深いラップをしてると思います。この曲を聴くと、BOSS THE MCの才能
がハッキリわかりますね。ブルーハーブのアルバムも買った頃はよく聴いてました。

 それではみなさん、よいお年を。来年もよろしくお願いします。
 僕はお仕事に戻ります。